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第78回:「法定調書」について

2018年11月21日

今回の税務トピックは、毎年1月31日が提出期限となる3つの年次業務の一つ「法定調書」について紹介いたします。

法定調書とは事業所が特定の人に金銭の支払い行った事実を記載した書類を税務署へ提出するもので、税務署側では正しい納税が行われているかを確認するための資料として利用されます。
今回は事業所の多くで関連する「給与所得の源泉徴収票」と「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を取り上げていきます。

【給与所得の源泉徴収票】

「提出義務者」
給与支払事業所であり、実際に給与を支払っている事業所は提出義務者となります。

「源泉徴収票の提出範囲」※年末調整をした又はしなかったかで区分が変わります。

  1. 年末調整したもの
    (1)法人の役員についてはその年中の給与等の支払金額が150万円を超えるもの。なお役員には、相談役、顧問その他これらに類する方が含まれます。
    (2)弁護士、司法書士、税理士等については、その年中の給与等の支払額が250万円を超えるもの
    (3)上記(1)(2)以外の者については、その年中の給与等の支払金額が500万円を超えるもの
  2. 年末調整をしなかったもの
    (1)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した方で、その年中に退職した方や災害により被害を受けたため給与所得に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収の猶予を受けた方については、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの。
    ただし、法人の役員については、50万円を超えるもの
    (2)給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した方で、その年中の主たる給与等の金額が2,000万円を超えるため、年末調整しなかったもの
    (3)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなかった方については、その年中の給与等の支払金額が50万円を超えるもの

多くの事業所では年末調整を行うため、提出範囲は年末調整をしたものの役員であれば(1)、役員以外であれば(3)で判定していきます。
源泉徴収票は年末調整の計算から作成しますが、H30年度から配偶者(特別)控除計算が変更されました。詳しくは前回の税務トピック(https://www.chestnut-c.com/tax_topics/075/)をご覧ください。

【報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書】

「提出義務者」
外交員報酬、税理士報酬など報酬、料金、契約金及び賞金の支払があった場合、その事業所は提出義務者となります。

  1. 「支払調書の提出範囲」
    (1)外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のため賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
    (2)馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払いを受けた者に係るその年中のすべての支払金額
    (3)プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超えるもの
    (4)弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人にその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの
    (5)社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの

上記の提出範囲から税務署への提出要否の確認をします。提出範囲の金額は1取引ごとの支払い金額ではなく、年中の支払い金額の合計額で判断いたしますので、集計もれなどが無いようご確認下さい。
以上が法定調書の「給与所得の源泉徴収票」と「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」についての紹介です。

いずれの法定調書についても提出する際には、マイナンバーの記載が必要となります。
マイナンバーの提供を受ける場合は、本人確認として「番号確認」と「身元確認」を行うことが必要となります。身元確認は運転免許証や健康保険の被保険者証がそれにあたりますので、収集もれないようお気をつけください。

前述した通り、法定調書は1月の年次業務3つの内の一つであり、提出期限が重なることから事業所に負荷のかかりやすい業務です。そのため提出期限が過ぎてからの送付や、未提出のままということもあるかと思います。しかし最近、税務署から未提出の事業所に対して、法定調書を提出するように催促の電話を行うことが増えているようです。国も納税確認をしっかりと行っていく姿勢なのですね。
今回のトピックが提出物の確認や金額の集計、マイナンバーの収集もれなどの手助けとなりましたら幸いです。

法定調書について何か疑問に思うことご要望などございましたら、ぜひチェスナットにご連絡ください!

参考HP:国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm

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