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第80回:「時間外労働の上限規制に伴う36協定」について

2018年12月19日

今回の労務トピックは、2019年4月1日より順次施行される働き方改革関連法案のうちの一つ、「時間外労働の上限規制に伴う36協定」についてご紹介いたします。

時間外労働の上限規制

現行の労働基準法では、時間外労働には労使の合意があれば実質的に上限が存在せず、青天井で残業が出来る環境にありました。
そこで働き方改革の一環として、残業時間は月45時間、年360時間を原則(超えた場合、罰則有)とし、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも年720時間以内、平均80時間以内(休日含む)、月100時間未満(休日含む)を上限とすることになりました。

対象者

企業:全ての企業
しかし、中小企業は1年の経過措置があり、
また「自動車運転の業務」、「建設事業」、「医師」、「鹿児島及び沖縄の砂糖製造」、「新技術・商品等の研究開発業務」は適用猶予・除外となります。

36協定新様式について

今回の時間外労働の上限規制に伴い、様式が大きく変わります。
大きな特徴といたしましては「一般条項の場合と特別条項付の場合とで様式が分かれている」ことです。
また、特別条項付36協定届については様式が2枚に渡り、限度時間までについてと特別条項についてのそれぞれの内容を記載することになります。

参考:厚生労働省「時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)様式(案)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000344354.pdf
(記入例)
一般条項:https://www.mhlw.go.jp/content/000350328.pdf
特別条項:https://www.mhlw.go.jp/content/000350329.pdf

その他、着目すべき点は、下記2項目の新設です。
1.「時間外労働及び休日労働を合算した時間数は、1箇月について100時間未満でなければならず、かつ2箇月から6箇月までを平均して80時間を超過しないこと。」チェックが必要。

2.「限度時間を超えて労働させる場合における手続」、「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」に関わる記載が必要。

これまで以上に「法令遵守」が意識された様式であることは一目瞭然で、記載についてもより細かな内容が求められることになることが予想されます。

これからの残業管理は、もはやアナログ的な管理では難しく、勤怠管理システム等による残業管理を行わないと、法令を遵守し続けることが難しいと思われます。
チェスナットコンサルティングでは勤怠システムのご紹介も行っております。
この機会に、見直しされてみてはいかがでしょうか。