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第51回:「最低賃金額」について

2017年10月25日

今回の労務トピックは、最低賃金額の引き上げについて、ご紹介いたします。

平成29年9月~10月にかけて最低賃金額の引き上げが行われ、今年は全国平均で25円増の848円となり、過去最大の引き上げ額となります。

最低賃金については、政府の「一億総活躍プラン」で2020年には全国平均で時給1,000円にするという目標を掲げていますので、今後も引き上げが行われそうです。

ただ、最低賃金の引き上げが行われる一方で、地域間格差は拡大しており、最高額の東京(958円)と最低額の沖縄・九州(福岡除く・737円)との差は221円となっておりフルタイムで働いた場合、年間約45万円の差が生じることになり、地域間格差がますます問題となってきております。

では、そもそも「最低賃金」とはどのようなものなのかご説明致します。

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」があります。

まず、「地域別最低賃金」では、正社員だけでなく、パート・アルバイト・臨時職員などの雇用形態や呼称に関わらず、各都道府県内の事業所で働く全ての労働者に適用されます。

したがって「高校生や未経験者」だからと言ってこの最低賃金を下回る労働契約は出来ませんのでご注意下さい。
(ただし、障害者の方、試用期間中の方等については、最低賃金を適用すると雇用の機会を狭める可能性があるため、都道府県労働局長の許可を得た場合、最低賃金減額の特例が認められています。)

次に「特定(産業別)最低賃金」について、こちらは特定の産業・職業別に設定されています。
基幹的労働者を対象として「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金を定める必要のある産業について設けられています。
仮に、「地域別」と「特定(産業別)」の両方の最低賃金が同時に適用される労働者に対しては、高い方の最低賃金を支払わなければなりません。

最後に、最低賃金の引き上げ支援策としまして、「業務改善助成金」や「キャリアアップ助成金」などいくつかの助成金制度が設けられていますので、最低賃金は守りたいが、苦しいという場合にご検討されてみてはいかがでしょうか。

弊社では、労務相談から給与計算代行や助成金申請に至るまで幅広く業務を承っております。

もし、労務関係でお困りのことがございましたら、お気軽にチェスナットコンサルティングまでお問い合わせください。