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第39回:印紙税について

2017年6月22日

今月は、印紙税についてのお話をさせて頂きます。

マイナーな税目ではありますが、契約書を作成した場合や領収書を発行する際には、印紙の貼付が必要なケースがありますので、比較的身近な税金として考えている方も多いのではないでしょうか。

そもそも契約書や領収書等を作成した場合、なぜ印紙税という税金が発生するのか?という事については、誰しもが思う疑問かもしれません。

建前上は、契約をすることにより、一定の経済取引がそこに発生するため、それを紙ベースにした場合、そこに担税力を求めるという趣旨の説明がなされています。
この考え方が、担税力という観点から適切かどうかという疑問はありますが、現在印紙の国庫収入は、年間一兆円を超えており、重要な歳入の一つに挙げられています。

最近の税務調査においても、印紙税について確認されることがよくあります。

これは、調査官が法人税や消費税の誤りを見つけることができなかった場合、印紙税だけでもなんとかしたいという心理的な側面も影響していると思われ、少額であっても印紙税の誤りを指摘するケースが多くなっています。

印紙税の調査においては、同様の契約書を何通も作成している場合や、従業員に領収書の印紙貼付を徹底していない場合、多額の追徴を受けるケースもありますので、一度契約書綴り等を確認しておくことも税務リスク軽減につながるものと思われます。

また、領収書の印紙税調査は、不特定多数の領収書の受領者に反面調査をすることが、 事実上困難であることから、推計課税により再計算を行うことが一般的です。特に印紙税の追徴税額(過怠税といいます)については、税務上、損金計上できませんので、その点も注意したいところです。

節税対策という点では、印紙税を大幅に削減するための画期的な方法が特にあるわけではありませんが、一般的には以下のような方法が考えられます。

  • 領収書を複数枚に分けて、記載金額を調整する
  • 記載金額について消費税を区分記載する
  • 請書や契約書は紙ベースで作成せず、電子データで行う
  • 契約書は正本を一部作成し、他方はコピーで代用する(特に関連社間取引等)

また、領収書や契約書に必要以上の金額の印紙を貼付した場合や契約成立前等に誤って印紙を貼付した場合は、税務署に対して還付請求をすることが出来ます。

この機会に、保管されている契約書に添付されている印紙の見直しをされてみることをお勧めいたします!